「千と千尋の神隠しは面白くない!」という人に物申す
こんにちは、ちゃんのおです。
先日TSUTAYAに行ったら、
どうやら話題の「君の名は。」がレンタル開始していました。
とはいっても、
すでに映画館で視聴済みの僕は、
借りるわけでもなく素通りしたのですが。
その瞬間ふと、
面白い記事のネタが舞い降りたので、
忘れないうちにさっそく、その旨を今から書き殴っていこうと思います。
さて、「君の名は。」は日本映画の中で、
久々の大ヒット映画になったわけですが。
そもそも現時点で、
日本一の興行収入になった映画って、何かご存知でしょうか?
この質問をするとけっこう面白くて、
意外と答えられない人が多いんですよね。
ちなみに答えは、
タイタニックでもなく、アナと雪の女王でもなく、ハリーポッターでもなく、
「千と千尋の神隠し」
が現時点で日本一の興行収入の映画だったりします。
※「君の名は。」は第4位
この記録は、「千と千尋の神隠し」が上映された2001年の頃から、
今もずっと破られず、もはや殿堂入りみたいな風潮すら存在しているほどです。
そこで今回は、「君の名は。」旋風が巻き起こっている昨今に、
あえて、「千と千尋の神隠し」について、見つめ直してみたいと思います。
さて、そんな「千と千尋の神隠し」ですが。
もちろん僕も大好きな映画です。
本当は日本一の映画を腐す事で、映画通ぶったりもしたいのですが。
文句の付け所がない位、数ある映画の中でもトップクラスで僕の好きな映画です。
作画・サウンド・演出などの様々な観点で、
日本トップクラスの映画だと今も昔も思っているのですが。
実はこの主張に対して、
共感してくれないどころか、反論さえしてくる人って珍しくありません。
僕がこんなに面白いと思っている「千と千尋の神隠し」を、
「面白くない!」と反論している著名人って実は多いんですよね。汗
例えば、ダウンタウンの松本氏がその最たる例です。
映画監督としても活動している松本さんですが、
彼は当時、映画館で「千と千尋の神隠し」をリアルタイムで視聴して、
あまりのつまらなさに呆れかえったらしいのです。
「こんなおもんない映画でええの?
こんなんでええんやったら、俺の方がおもろい映画つくれるわ!」
という自信?不遜?もあり、
その後はご自身で、実際に映画の製作にも着手されたわけです。
(もちろんこのキッカケは氷山の一角だろうけど)
そして、彼に限らず、
「千と千尋の神隠し」のアンチというのは、世間に多数存在しており、
「あんな映画のどこが面白いのかわからない」
という悲しい罵詈雑言が多数存在しているのが現実です。
最初は僕も、その反論に対して、
「世間で人気がある作品を貶してカッコ良いと思ってるんだろ?」
と一蹴していたのですが。
僕が面白いと思っている物を「面白くない!」と主張するのには、
きっと何か理由があるのだろう、
と、ふと冷静になって考えてみようと試みてみました。
そこで僕は一度我慢して、
アンチ達の言い分を冷静に聞いてみることにしたのです。
すると、千と千尋アンチの方々の中で、
ある一貫した主張を発見することができました。
そして僕は、その主張を知ったことで、
「確かに千と千尋の神隠しって面白くないな…。」
と悔しいながらも、心がグラついてしまったのです。汗
まず、「千と千尋の神隠し」という作品は、
「世界観が小さすぎる」というのが正直なところです。
主人公の千尋がひょんなことから異世界に迷い込み、
父と母とハクを助けるために、奮闘するというあらすじですが。
ぶっちゃけどうでもいいじゃないですか。笑
千尋が死のうと生きようと、世界にはあまり関係のない話なんですよね。
「よくわからん家族のドタバタ劇見せられても…。」
って指摘をされちゃったら、
ファンの僕でも言い返せないというか、擁護をしづらいです。
それこそ同じジブリ作品であったら、
ナウシカの場合は、地球全体が滅亡の危機に晒されたり、
もののけ姫の場合は、生きとし生けるものが絶滅の危機に晒されたり。
壮大なスペクタクルが存在するわけですが、
「千と千尋の神隠し」は、とある家族のドタバタ劇に終始しています。
そうなってくると、
「お前ら家族の事情なんて知ったこっちゃない」
というドライな視聴者が発生してしまうのも、しょうがないことに気が付きました。
それに対して例えば、
「君の名は。」ってぬかりないんですよね。
軽くおさらいしてみると、
「主人公の瀧と三葉が入れ替わる”コメディ要素”からはじまり、
実は時系列が異なる世界だったという、”SF要素”が複合されます。
そして、「口噛み酒」という日本独特の文化が、
実は後のキーアイテムとして伏線になるという”サスペンス要素”が発生し、
それがキッカケで「街全体を救う」ための”アクション要素”が巻き起こります。
そして最後は、平和を取り戻した2人が街でバッタリ出会い、
「君の名は・・・?」
という”恋愛要素”を含ませた再会で終わる。」
これは「千と千尋の神隠し」とちがって、世界観のスケールがとても壮大です。
・コメディ
・SF
・サスペンス
・アクション
・恋愛
という複数の訴求が交錯しているのです。
だから、いくらでも議論のし甲斐があるというか、
突っつけば突っつくほど、埃が出る要素が満載なわけです。
しかしその一方で、千と千尋の場合は、
「両親が豚になっちゃいました。
娘の千尋は、両親を助けるために銭湯で働きました。
ハクという少年も手伝ってくれました。
銭湯で頑張ったおかげで、家族と一緒に無事帰れました。
ちなみにハクは人間ではなくて、河の精霊でした。
終わり!ちゃんちゃん♪」
という一本道の話なので、
ストーリー展開を議論しづらいんですよね。
スケールも小さいから、視聴後に、
物の考え方が変わるわけでもなく、人生の後学にも残らないし、
「薄っぺらくて、歯ごたえがない!」
と、文句を言われてしまうのも仕方がない。
・・・というのが、
アンチが「千と千尋の神隠しは面白くない!」と主張する根拠として、
多々挙げられていることに気が付きました。
「うん…。確かに…。」
僕はこの主張をぶつけられた時、
ぐうの音も出なかったというか、言い返せない自分がそこにいました。
確かに理屈で考えてしまうと、
千と千尋の神隠しって、面白さを説明するのは困難です。
ファンとしては認めたくないけど、これが現実です。
だから「千と千尋の神隠し」が、
日本一の興行収入であることに、納得できない人も多いと思うのです。
しかし、「千と千尋の神隠し」には、
他の映画には欠如している”セールスポイント”が存在していると僕は思っています。
千と千尋の悪口を散々言いまくっちゃいましたが、
これからアンチに対して、反撃を開始します。笑
「千と千尋の神隠しは面白いけど、なぜ面白いか説明できないから悔しい!」
という昔の僕みたいな考えの人は、是非参考にしてみてください。
千と千尋の神隠しが持つ最大の魅力。
それは「ノスタルジー」だと僕は思っています。
視聴をしている最中に、
「俺も昔は、千尋みたいに怖いもの知らずだったなぁ。」
「千尋は慣れない銭湯の仕事を一生懸命で偉いなぁ。
俺も新入社員の頃は、怒られながらもがむしゃらだったなぁ。」
みたいな感じで、
昔の自分を思い出すように、千尋に自己投影しちゃうんですよね。
その結果、
「よし!明日から俺も、千尋を見習って頑張るぜ!」
という活力をもらえる。
この要素はそれこそ、
「ナウシカ」、「もののけ姫」、「君の名は。」
には欠如した要素であり、数ある大ヒット作の中でも稀な要素です。
もちろんこれは、理屈の面白さではなく、
親近感と言う名の、感情論としての面白さです。
しかし、これこそが他の作品を押しのけてでも、
「千と千尋の神隠し」が日本一の映画になった理由だと思います。
ちょっと話は変わりますが、
「こどものおつかい」という、長寿高視聴率番組がありますけど。
この番組の面白さって、理屈では説明しづらいですよね。
展開も予定調和だし、毎回同じようなパターンでマンネリだし。
だけど、
「自分の娘も今は大学生になったけど、ちっちゃい頃は可愛かったなぁ。笑」
「自分も子供の頃、近所を歩いているだけで冒険気分だったなぁ。笑」
みたいな感じで、
ノスタルジーを刺激され、幼少期を彷彿とさせるから、
多くの人は面白いと感じるんですよね。
理屈の面白さではなく、感情論の面白さですが。
この番組に対して、
「くだらない」と一蹴する人もいますけど、
やっぱり、「親近感」というのは”面白さ”において、
非常に重要なファクターである、と視聴率がそれを証明しています。
例えば、
「自分と同じ服を着ている人を見ると、自然とその人の事が気になっちゃう」
「誰かがくしゃみをすると、自分もくしゃみをしたくなっちゃう」
という現象に誰もが陥ったことがあると思いますけど。
「それはなぜ?」
と言われても説明はできないわけで。
「レモンを見るとヨダレが出ちゃう」
「悲しいとなぜか涙が出ちゃう」
というのと同じで、
人間のメカニズムって理屈じゃ説明できないのです。
「親近感を抱いちゃうと、相手を好きになっちゃう。」
というのは理屈では説明できない人間の本能です。
そして、この心理を上手く突いた作品の頂点が、
「千と千尋の神隠し」だと僕は思うようになりました。
つまり、最後に総括すると。
・論理で面白さを説明できるのは「君の名は。」
・感情論の面白さだから、面白い理由を説明できないのは「千と千尋の神隠し」
といった結論に僕は行き着きました。
もし、
「千と千尋の神隠しの面白さが理解できない!」
という方がいらっしゃったら、参考にしていただければと思います。
それにしても今回の一件は、
面白い情報発信を研究している僕としては、超重要な要素であると再認識させられました。
つまり、
「いかに相手の懐に入り込み、親近感を与えられるか」
というのが今後のテーマであり、
僕の文章に価値を発生させる糸口だと思うのです。
「役に立つ」とか、「メリットがある」という文章よりも、
「親近感を感じちゃう」と相手に思わせることができれば、
最終的には「面白い!」と感じてもらえる。
「そんな文章を書きまくっていけば、相手は喜んでくれる!」
と気づく事ができた今日この頃でした。
ーーーーーーーーーーーー物足りない方へーーーーーーーーーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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